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不動産における減価償却って一体何?分かりやすく解説

不動産売買

こんにちはおさるです。

私は大阪市内で働く不動産屋です。

今回は不動産減価償却について解説していきたいと思います。

減価償却についてはかなり奥深いテーマで今回解説するのはあくまで表面的な部分です。

詳しく知りたい方は減価償却についての書籍などもあるので個別でお調べください。

減価償却の基本的な内容については理解できると思うので是非最後まで読んでみてください。

不動産における減価償却がなぜ大事なのか

減価償却は節税のメリットがあります。

まずは減価償却とは一体何か、その後に不動産における減価償却について解説していきます。

減価償却とは

減価償却とは、機械・車・不動産などの資産を購入した際に単年度で費用計上するのではなく、決められた年数に応じて分割して費用計上することを言います。

例えば、営業用の車両として購入した車は耐用年数が4年と決められています。

400万円で車を購入した場合、購入した年度に400万円計上するのではなく100万円を4年に分けて費用計上するということです。

減価償却の耐用年数は税法によって定められており資産によって異なります。

不動産における減価償却とは

不動産において減価償却できるのは建物部分のみです。

土地は年数の経過で資産が目減りするものではないので減価償却しません。

仮に、4000万円の物件(土地2000万円:建物2000万円)を購入したとすれば、建物の2000万円のみ分割して費用計上するということになります。

建物の種類によって耐用年数は決められており、木造なら最長22年、鉄骨は厚さによって変わりますが最長19年〜34年、鉄筋コンクリートは最長47年と定められています。

新築の場合に上記の耐用年数となるため中古物件の場合は、年数に応じて減価償却の取れる年数が変わります。

また住居以外の場合は耐用年数が変わるものもあります。

なぜ減価償却が大事なのか

減価償却期間中は経費として落とせるため課税所得が低くなり節税になるのが減価償却が大事な理由です。

例えば、会社員の方が投資用に不動産を購入したケースを考えます。

会社員の方であれば給料をもらっていると思いますが、給料は累進課税制度で所得が高いほど税金が多くなります。

経費を使うことができれば課税所得が下がり税金を抑えることができます。

実際にはお金は払ってないけど経費が発生しているので手元にお金が残りやすくなるのが大事な理由です。

不動産は構造や年数によって減価償却が異なります。

購入する物件によって短期間で減価償却を取るか、長く取るか税金のコントロールをすることができます。

不動産における減価償却の注意点

減価償却期間は節税効果があり非常に重要な概念です。

ただし減価償却期間中の節税以外にもセットで覚えておかないといけない注意点があります。

売却時に譲渡所得税がかかる

不動産の売却時は利益に対して譲渡所得税がかかります。

個人の方を例で言うと、5年以内の場合は利益に対して約40%の税金がかかります。

5年以上の場合は利益に対して約20%の税金がかかります。

そしてこの利益の考え方ですが、実際に儲けた金額に対して税金がかかる訳ではありません。

実際に売れた金額ー帳簿上の価格(簿価)=利益と考えられています。

簿価というのは、減価償却が考慮されている会計上の帳簿の価格です。

譲渡所得税の簡単な例

一つ簡易的な例を出します。

(要点を分かりやすくするため諸費用など細かい部分は省きます。)

会社員の方が5000万円(土地3000万円・建物2000万円)償却期間10年の物件を購入したとします。

減価償却は建物部分のみにかかるので2000万円に対して減価償却されます。

償却期間は10年なので200万円ずつ経費として落とします。

※この時に、帳簿上の価格は土地3000万円と建物価格は2000万円から200万円ずつ目減りしていってます。

5年経過したタイミングで売却を検討し4500万円で売却したとします。

実際は5000万円で購入した物件を4500万円で売却したので500万円のマイナスです。

ただし帳簿上の価格では、建物2000万円から5年×200万円の1000万円が減価償却されていて、建物の価値は1000万円となっています。

帳簿上では土地3000万円で建物1000万円の合計4000万円であるため、4500万円での売却となれば500万円利益が出たとみなされます。

実際にはマイナスですが、帳簿上では利益が出ていることになり譲渡所得税が発生してしまいます。

減価償却は償却期間中は節税になりますが、売却時には減価償却された分簿価が下がり帳簿上の利益が出やすくなってしまいます。

所有期間と売却時にどのくらい節税になるかをしっかり判断しないといけません。

購入時の諸費用を土地建物の取得価額に含めることが可能

購入時にかかる諸費用については、経費としてその年に計上する事も可能ですが土地建物の取得価額に含める事も可能です。

購入時には、仲介手数料や司法書士報酬・不動産取得税などの様々な費用がかかります。

これらを土地建物の比率に応じて按分して、建物分のみ減価償却することも可能です。

個人か法人によって取得価額に含めれるものとそうでないものもあるので気になる人は調べて頂ければと思います。

減価償却のポイント

減価償却は税金の繰延べと言われることがあります。

実際、償却期間中は節税になり売却時には税金がかかるので繰延べしてるだけに見えるかもしれません。

ただ少し深掘りしてみると減価償却にはポイントがあります。

償却期間中と売却時はかかる税率が違う

減価償却期間中にかかる税金は個人においては所得税です。

所得税は5%〜45%と所得が高いほど税率が高くなります。

そして、売却時にかかる税金は譲渡所得税で、個人においては40%(5年以内)もしくは20%(5年以上)です。

償却期間中にかかる税金と、売却時にかかる税金は違うことからここの差分を節税することができます。

複利の効果を活かすことができる

減価償却は先程お伝えしたメリットともう一つあります。

減価償却期間中は節税になっている分、償却期間中は手元にキャッシュが残りやすくなります。

その手元に残ったキャッシュで更に投資を進めていけば、複利の効果で資産を増やしていくことも可能です。

仮に、償却期間中の節税になった金額と売却時にかかった税金が同じだとしても、償却期間中に手元に残ったキャッシュで投資をして複利で増やしていけば結果的には資産はプラスです。

減価償却をマスターしてうまく活用することができれば資産拡大もしやすくなります。

まとめ

本日は減価償却について解説しました。

最後の方は少し複雑だったかもしれませんが、減価償却の基本的な部分はご説明した通りです。

この記事が皆さんの参考になれば幸いです。

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